救急車で運ばれ、復活し、また元の生活だと思いきや、今度は喉が痛いようだと母から連絡がありました。
微熱もあるようで、すぐに病院に行くように伝えました。
ちょうどこの頃、父はもう遠方の病院に通う事が体力的にも精神的にも辛くなり、通っている病院での抗ガン剤メニューを記載して貰い、その通りのメニューを地元の病院で受ける事になりました。要は転院です。
紹介状も渡し、転院の手続き済みだったのが幸いで、すぐに診てもらう事が出来ました。
すると診断は、なんとインフルエンザ。
これまで通っていた東京の病院では、インフルエンザにならないようにとインフルエンザワクチンを打っておいてくれていたので、そのお陰で高熱にならずに済んだようです。
早速隔離入院。
緊急だったので部屋が空いてなく、無理矢理突っ込んでもらったので、洗面所もついておらず、トイレも勿論なし。
手も洗わせてもらえず、トイレはおまるに。勿論風呂になど入れません。微熱があるうちは体も拭いてもらえません。
そんな状態が10日程続き、父は頭がおかしくなりました。
元々潔癖な所があるので、手が洗えないというのが何よりの苦痛だったようで、電話するとイライラしてやつあたりの激しい事。
どうにか家族全員で励まして、やっとの思いで10日間の入院生活を送り、退院。
それでもまだ咳や痰が治っていませんが、退院した時には「刑務所から出所したみたい」と言ってました。
自宅に帰ってゆっくり風呂に浸かって、やっといつもの父になりました。
抗ガン剤治療中、更には末期状態で肺への転移がある中でのインフルエンザは死を覚悟します。
気が気ではありませんでしたが、どうにか復活してくれて良かったです。
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